作品情報
タイトル:今更気づいてももう遅い
作者:ユウキ
文字数:13,206文字
あらすじ
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。
後悔に苛まれた者の嘆きが響くが、今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。
レビュー
この短編はいいぞ。
呼んだ瞬間にそう確信しました。
まさしく「ざまぁ」に求めていたものを13,206文字に詰め込んだ珠玉の一作。
第一話から怒涛の勢いで心をえぐられる殿下。
他の中・長編のクライマックスシーンから始まる断罪劇には「ざまぁ」のカタルシスを存分に味わえる痛烈な言葉の刃が散りばめられています。
第二話からは視点も変わってしっとりと落ち着いた大人の「ざまぁ」が紡がれます。
短編のため見どころしかないこの作品。
食後の一服に何度読んだかわかりません。
「ざまぁ小説ってこんな感じで楽しいんだよ」とおすすめするのにも最適。
ぜひともご一読くださいませ。
ネタバレ考察・気になる点
13,206文字という短編ゆえに見どころ以外を削りきった印象です。
なのでざまぁされるのは王子だけで、一番罪があるであろうヒロインは野放しで終わっています。
一応はその後の没落を匂わせてはいますが、悪役令嬢を陥れた罪ではなく、周囲の人間関係による孤立という感じです。
王子ひとりに焦点があたっているので、ざまぁされるべきヒロインや王家や友人達が王子の失脚以外はほぼ無傷なのがモヤりどころです。
超短編にケチつけても仕方ないですが、5万字くらいの中編で周囲もざまぁされるストーリーが読みたいなあと思わされます。
そうして今日も沼に浸りに徘徊するのです。
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